デザインを実際のカタチにしていく、モデリング作業 (造形) は、大きく分けて
「 デザイン検討 」 と 「 モデル製作 」の2つのセグメントに分類して行う。
通常、デザインを行う際は、まず ラフスケッチ をイメージで紙面に描いた上で、
そのイメージを伝えやすくする為に、PC上で レンダリング してカタチにする。
デザインからモデリングまで全てデザイナー自身が行えば、頭の中のイメージを
伝える必要な無いという考え方もあるが、人に伝えるという事をサボっては
駄目だと考えている。スケッチからレンダリングという過程の中で新しいカタチ
に出会える場合も多く有るし、人(モデラー)へ伝えることで自分自身も
イメージを明確に確かめる事が出来るからである。
又、お客様のオーダーメイド製作の場合、お客様自身が描いているイメージを
どれだけ掴み取れるかが重要なポイントである為、それをお客様と共に
確認する為にも、自社ブランド製品開発以上に スケッチ及び PC上での
レンダリング作業は特に重要となる。
このようにして決定したデザインを、実際のカタチへと変えていくわけだが
モデリングを行うモデラーという肩書きの職人によって、レンダリングされた
デザインに命が吹き込まれていく。
勿論、デザイナー自身もモデリングには当然携わるのだが、モデラーとの大きな差は
知識と経験だと思っている。簡単に言えば面と面が衝突し一つのラインを作り出す
わけだが削る順番一つで見え方は変化するものだ。
デザイナーが描くイメージが正確にモデラーに伝わる事で、カタチと成る。
当然ながらこの「デザイン検討」段階でもまた、新しいカタチが生まれ、デザインの
破壊と再生が繰り返されていく。
時に、突如として生まれるカタチに刺激を受けたりするからまた面白い。
1/1 モデルとして完成をみたデザインを実際に(マスター)モデル化していく
「 モデル製作 」の段階では、クリアランスや精度、強度、規制等、様々な問題を
考えた上でハード化を行っていく。デザインに大きく影響がでる場合は、再度
デザイン検討を行う。又、時には、モデル製作の段階で新しい感性が生まれ、
一度決定したデザインを破壊するという事態もあったりする。
自社ブランド製品であっても、お客様のオーダーメイド製作であっても、
拘る所は確りと拘って行く事に変わりはない。こうして生まれた製品達が、
皆様の目に触れ、何かを感じとって貰えることを願っている。
|